'06年10月1日更新
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◎小樽市視察'06.7.19
 特区申請のきっかけは国立療養所の民営化に伴い、受け皿となった北海道済生会西小樽病院の重症心身障害児施設の調理員を施設内で抱える必要が有るか否かの議論となり、児童福祉施設最低基準(昭和23年厚生省令第63号)の第42条が障害であることに気づく。曰く「児童養護施設には、児童指導員、嘱託医、保育士、栄養士及び調理員を置かなければならない。ただし、児童40人以下を入所させる施設にあっては、栄養士を置かないことができる。」と。「何とかならないものか」との職員の試行錯誤の末、"障害児施設における調理業務の外部委託事業について"なる平成15年8月29日付けの厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知を発見。この中には「単に食事を作るというだけでなく、摂食制限に応じた食材の提供、食事の加工等きめ細やかな配慮を行い、障害児の特性に応じた食事が提供されるよう、きめ細やかな配慮を行う」との制限はあるものの、「総理大臣による構造改革特別区域計画の認定を申請し、その認定を受けた場合には、障害児施設において、調理業務を外部委託することを可能とすることとした」とある。この部長通知を根拠に、平成16年1月に特区申請(第4次申請)を行い3月には特区認定(全国で88事業が認定)を取得。2施設で調理業務の外注委託を実施する。
 特区認定の効果としては、大手業者取扱による流通コスト等の削減を中心とした材料費の軽減が627万円と人件費の削減額が930万円の合計約1,558万円。これらの経費削減分を活用して福祉職員5名(保育3名、療育2名)の増員を実現し、またメニューの拡大やバイキング等の実施など調理サービスの向上にも努めることができたこと。
 また、障害となったあの児童福祉施設最低基準の第42条も、平成18年4月1日からは「調理員を置かねばならない」から「調理業務の全部を委託する施設にあっては調理員を置かないことができる」と変わったとのこと。
小樽市にとって、「福祉のまちづくり推進特区」は当時、平成15年4月21日の「港湾物流特区」についで2件目の特区認定であったが、その後も平成16年6月21日には「ビジネス人材育成特区」と多方面にわたって多くの特区認定を受けている。
 きっかけは?との問いには、職員出身で財政の実情を熟知する現市長の"乾いた雑巾をさらにしぼる"気持ちで改善に心がけようとの呼びかけとのこと。
独自提案の特区認定はまだありませんと謙遜されるが、特区の申請が多方面にわたっていることといい、今ではなぜ公務員がやらなければならないのか?の問いかけに心がけているとの証言といい、市長の呼びかけが職員一人一人にまで浸透している何よりの証左である。小樽市は昭和60年代には、戦災は免れたが、改築もされず手付かずの状態のまま残された明治以来の古い建物を逆手にとり、歴史的建造物として指定をすることで観光資源として見事に蘇らせた高い行政手腕を持っている。これら職員の高いモチベーションが何によって維持されているのか非常に興味の湧くところである。ともあれ、行政経営のトップである市長のリーダーシップの重要性を実感させられた。




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